有限会社仕出し料理やまもと　山本有希さんにお話を聞くため、とって食べる食堂やまもとさんへお邪魔してきました！

おいしそうなお惣菜がずらっと並ぶ店内。お好みの組み合わせや、オーダーメニューの定食などを楽しむお客様で、お昼はいつもにぎわっています。

人気メニューは、一日分の野菜が取れる野菜炒め定食や、ちゃんぽん麺。素朴な味のラーメンや焼きそばも人気だそうです。薬膳アドバイザーも取得した有希さんのお勧めは、豚の生姜焼き定食。「薬膳でも、疲労をとって次の仕事の活力になるメニューなので、お昼ご飯にはぴったり。」とのこと。

また、店内には有希さん手書きの掲示がたくさん。「YEGの人には言ってなかったかもしれないけど、ここにお嫁に来る前に洋服のデザインの仕事をしていたの。」デザイン画や、洋服をつくったりするのも得意だそうです。特技を生かした可愛らしいイラスト入りの掲示で、ためになる薬膳の知識や日替わりメニューが書かれていて、じっくり読みたくなってしまいます。

そんな仕出し料理やまもとの創業者は先代である有希さんの義父さま。兵庫県の浜坂の生まれで、もともとは安来のほうで、調理の仕事をしていらっしゃったそうです。鳥取で仕事の依頼があり、寺町のNTTで食堂を始められ、日交バスセンターの食堂も手掛け、ご近所の方からお弁当の要望から、各企業さんなどへお昼のお弁当を配送するビジネス弁当の事業をスタート。そして、今の千代水へ移られたとのこと。しかし、安価な他社のお弁当との競合を避けるため、10年ほど前から、今の仕出しと食堂経営に転換されました。

昔からとてもエネルギッシュな行動力のある仕出し料理やまもとさん、コンビニ弁当や大丸、サンマートのお惣菜など、様々なお仕事をしていらっしゃったとのことです。いまでは、あのドンキホーテにやまもとさんのお惣菜が並んでいます。

「食べ物は、幅広くできる商売だと思うから。」どんなことでもビジネスチャンスに変える臨機応変さで、いろいろな食に関する事業を展開していきたいと仰っていました。

4月からとっとり・因幡の塩鯖を考える会の会長を務められるという有希さん、人や企業のつながりもとても大切にしていらっしゃいます。自社だけでなく地域や飲食業界すべてが、元気になって好循環を生み出せるように、とお話し下さいました。「人口減が進む中、YEGの皆や、同業者の方から元気をもらったり、悩み事を共有しながら楽しく仕事することができれば、社会も活性化していくはず。鳥取の人は、考えを内に秘める人も多いけど、素敵な考えを持っている人もたくさんいるから、みんなに光があたるようになればいいな。今、鳥取県は星取県で売出し中だけど、県民一人一人が空の星のように輝く地域になってほしいな。」いつもにこやかで明るい有希さんは、実は子供のころから12回もの転勤を経験され、初めての土地で初めての人と友達になっていく中で自然と笑顔でいることが身についたそうです。「お願い事するのも、仏頂面より笑顔の方がいいでしょ。」

楽しそうにお仕事される一方、その大変さもうかがいました。「食堂の営業が夜0時まで、仕出しの仕込みは夜1時からはじまるので、ほぼ24時間会社は稼働しているからなかなか気が休まらなくて。仕出し料理も、届けたら終わりじゃなくて、お客様が召し上がって、翌日、翌々日は心配もあります。もちろん気をつけてはいるけど、食中毒なんかはいつどこで起こるかわからないから。二日くらい何も連絡がなければ、やっと一安心。そろそろ体も心も休められるように、仕事の改革もしていきたいな。」ということで、ビジネスイノベーションにも取り組まれているそうです。「働いてくれるスタッフは、主婦の人も多いんだけど、食堂でお客様に「ごちそうさま、おいしかったよ」と声をかけられると、とてもうれしくてやりがいを感じると話してくれて。社会に認められて、役に立っているっていう気持ちはとても大切。働く人もうれしい気持ちになるようなことがしたいから、試行錯誤中です。」

いろんなことにチャレンジする行動力いっぱいで驚くと「経営者は、背中を押してくれる人がいないでしょ。怠けようと思えば、いくらでも楽できちゃう。だからこそ、自分で行動を起こしていかないと衰退しちゃうよね。」と。